建設業の働き方改革~建設業法の改正
安倍政権が進める「働き方改革」は、労働基準法が改正され、長時間労働の規制が今まさに進められているところですが、建設業に関しては、他の業種よりも遅ればせながら、令和6年4月からは、時間外労働の上限規制(原則月45時間、かつ年間360時間)が施行されます。これは、強行規定ですので、36協定など労働時間に関する労使の協定をもってしても、例外は設けられないことになっています。建設事業者の方々は、今からでも準備が必要です。
これは、いわば直接規制ですが、そもそも長時間労働をもたらす原因は、そもそも建設業にはびこる無謀な工期、工賃の引き下げなど契約や建設現場の環境に起因する問題があり、ここを改善しないと絵に描いた餅に終わってしまいます。そこで、国土交通省では、こうした課題に応えるために、今年度建設業法の改正に踏み切り、本年6月5日に成立し、同月12日に交付されました。この法律は、1年6ヶ月(一部は2年)以内に施行されることになりました。それまでに必要な省令が交付されることになるので、注意が必要です。
改正の内容は、大きく分けると①建設業の働き方改革の促進②建設現場の生産性の向上③持続可能な事業環境の確保の3つのカテゴリーがあります。詳しくは、国交省のホームページにあるこちらの資料をご参照ください。中小の建設業者の方々に、とくに注意が必要なのは、建設現場の処遇改善の一環として実施が決まっている社会保険の強制加入です。早ければ、来年度中の建設業許可基準に、建設業で働く従業者の社会保険加入か必要条件として追加されることになっています。詳細は、来年度には、公表されると思いますので、注意が必要です。